WalletConnect Payとは?仕組みや特徴、実店舗決済への展開を解説
暗号資産の普及が進む一方で、実店舗やECサイトで日常的に使える決済手段としては、いまだ限定的な状況が続いています。多くの暗号資産決済はカードネットワークを経由した仕組みに依存しており、ウォレットから直接支払う形での決済はまだ一般的とは言えません。
こうした中、WalletConnectが発表したのが暗号資産決済ソリューション 「WalletConnect Pay」 です。ウォレット・決済サービスプロバイダー(PSP)・マーチャントをつなぐインフラとして設計されており、ステーブルコインを中心とした暗号資産決済を既存の決済フローに組み込むことを目指しています。
この記事では、WalletConnect Payの概要や仕組み、実店舗決済への展開などについて整理して解説します。
WalletConnect Payとは?
WalletConnect Payは、WalletConnectが提供する暗号資産決済ソリューションです。ウォレット・マーチャント・決済サービスプロバイダー(PSP)を接続することで、暗号資産による支払いを既存の決済インフラに組み込めるようにすることを目的としています。
暗号資産決済はこれまで、ウォレットやサービスごとに異なる仕組みが採用されており、互換性の低さや導入の難しさが課題とされてきました。WalletConnect Payは、こうした分断された環境を整理し、さまざまなウォレットやネットワークからの支払いを共通の仕組みで処理できる決済インフラとして設計されています。
ユーザーは普段利用しているウォレットや暗号資産を使って支払いができ、マーチャントや決済事業者は暗号資産の複雑な処理を意識することなく決済手段として提供できる仕組みが目指されています。
WalletConnect Payの仕組み

WalletConnect Payは、QRコードを使ったシンプルな決済フローで暗号資産の支払いを行う仕組みです。オンライン決済や店舗のPOS端末などで表示されたQRコードをウォレットで読み取ることで、支払いを開始できます。
ユーザーがQRコードをスキャンすると、ウォレットには支払い内容(支払い先や金額など)が表示されます。ユーザーは使用するトークンやネットワークを選択し、ウォレット上で承認することでトランザクションが送信されます。決済が完了すると、その結果がマーチャント側に通知されます。
またWalletConnect Payは、既存の決済サービスプロバイダー(PSP)の仕組みに組み込めるよう設計されています。これによりマーチャントは新しい決済インフラを構築する必要がなく、現在の決済フローの中に暗号資産決済を追加する形で導入できます。
支払いは主にステーブルコインを想定しており、ユーザーはウォレットから直接暗号資産を送金して決済を行います。ネットワークや資産の違いによる複雑な処理はインフラ側で処理されるため、ユーザーやマーチャントがそれらを意識する必要がない点も特徴です。
実店舗決済への展開(Ingenico提携)

WalletConnect Payは、ECサイトだけでなく実店舗での決済にも対応することを想定しています。その取り組みの一つとして、決済端末メーカーのIngenico(インジェニコ)との提携が発表されています。
この提携により、IngenicoのAndroidベースの決済端末にWalletConnect Payを組み込むことで、店舗のPOS端末でステーブルコインによる支払いを受け付けられるようになります。端末に表示されたQRコードをユーザーがウォレットで読み取ることで、モバイルウォレットから直接支払いを行う仕組みです。
既存の暗号資産決済の多くは、クレジットカードのネットワークを経由する形で処理されます。一方、WalletConnect Payではウォレットからステーブルコインを直接送金する形の決済が想定されており、従来のカードレールに依存しないネイティブな暗号資産決済として位置づけられています。
Ingenicoの決済端末は世界中で広く利用されており、小売や飲食、交通、セルフサービス端末などさまざまな業態での利用が想定されています。こうした既存インフラと連携することで、暗号資産決済がオンラインだけでなく実店舗でも利用される可能性が広がっています。
WalletConnect Payの特徴
WalletConnect Payは、ウォレットやネットワークの違いを意識せずに暗号資産決済を利用できる仕組みとして設計されています。ユーザーは普段利用しているウォレットから支払いを行うことができ、オンライン決済や店舗決済のどちらにも対応することが想定されています。
また、支払いに使用するトークンやネットワークはユーザー側で選択することができるため、複数のチェーンや資産を利用しているユーザーでも柔軟に支払いを行えます。支払い前には残高確認やルーティング、コンプライアンスチェックなどが行われる仕組みになっており、決済の安全性や規制対応も考慮されています。
さらに、決済の記録やトランザクションの履歴はシステム上で管理され、運用やサポート、レポート作成などに利用できるデータとして確認することが可能です。こうした機能により、暗号資産決済を既存の決済システムに近い形で扱えるようにすることが目指されています。
まとめ
WalletConnect Payは、ウォレット・マーチャント・決済サービスプロバイダーを接続することで、暗号資産決済を既存の決済インフラに組み込むことを目指したソリューションです。QRコードを使ったシンプルな決済フローやステーブルコインによる支払いを想定しており、オンラインだけでなく実店舗での利用も視野に入れた仕組みとして設計されています。
決済端末メーカーIngenicoとの提携なども進められており、暗号資産決済を日常の支払い手段として利用できる環境の整備が進みつつあります。今後、ウォレットや決済事業者との連携が広がることで、暗号資産を使った決済の選択肢がさらに拡大していく可能性があります。
また、WalletConnectで接続可能なウォレットアプリ 「KEYRING PRO」 にも、WalletConnect Payの実装が予定されています。今後ウォレット側の対応が進むことで、ユーザーが暗号資産を実際の支払いに利用できる場面も徐々に広がっていくと考えられます。

