DEX(分散型取引所)は、初心者の方にハードルが高いと思われがちですが、中央集権型の取引所に比べて圧倒的に透明性が高く、安い手数料で取引することができます。管理されていないため、自己責任の部分が大きくなりますがブロックチェーンの本質とも言える仕様です。
この記事では、そんなDEXとはどういったものなのか解説しつつ、利用する前に知っておくべき注意点やおすすめのDEXまで解説します。
是非参考にしてください。
DEX(分散型取引所)とは？
DEX(Decentralized Exchanges・分散型取引所)は、一般的な取引所であるCEX(Centralized Exchange・中央集権型取引所)と異なり管理者がおらず、ユーザー同士で仮想通貨トークンをスワップ・ブリッジできる取引所のことを言います。
中央集権型の取引所と比べて、仲介による手数料が安く透明性が高い取引所になります。
DEXでできるイールドファーミングとは？
DEXはトークンをプールに預けて流動性を供給することで手数料をもらうことが可能なイールドファーミングも可能です。
実際に、Uniswap V3を例に最新のイールドファーミングの流れ、やり方を解説します。
STEP 1. トークンのペアを選択
まずは、トークンのペア(2種類のトークン)を選択します。
※ペアではなく1種類のトークンでイールドファーミングも可能な場合があります。
STEP 2. 価格の範囲を設定する
現在の価格を基準に範囲を設定します。ETHとUSDCを選択した場合は、ETHあたりUSDCのレンジ幅を選択することになります。
このレンジ幅の中にいる間は、預けた2つのトークンがスワップされ、手数料が発生し利息をもらうことができます。
※あえてはじめからレンジ幅外に設定して1つのトークンを利確もしくは損切りの範囲として設定することも可能です。
STEP 3. 数量を設定する
最後に預ける数量を設定します。数量は、1：1ではなく範囲によって変動します。
DEX(分散型取引所)の種類について
DEXは、複数のネットワークに対応したマルチチェーン対応のものと1つのネットワークに特化したものがあります。また、マルチチェーン対応のものであってもブリッジ可能なものとスワップのみのものがあります。スワップとは、同じネットワーク内でトークンを交換することを指し、ブリッジ(またはクロスチェーン)とは、ネットワークの異なるトークンを交換することを指します。
つまり、主に以下の3種類に分類されます。
- 1つのネットワークに対応したDEX：BNBだけ、Avalancheだけなど1つのネットワーク内でトークンをスワップできます。
- 複数のネットワークに対応したDEX：複数のネットワークの中から1つ選択し、そのネットワーク内でトークンをスワップすることができます。
- 複数のネットワークおよびブリッジに対応したDEX：複数のネットワークを組み合わせてブリッジおよびスワップすることができます。
DEXを利用する前に知っておくべき注意点
しかしながら、DEXを利用する前に知っておくべき注意点もあります。
URLをしっかり確認しよう
ちゃんと公式のURLかどうかしっかり確認しましょう。詐欺の偽サイトである場合があります。仮想通貨ウォレットを接続する前にしっかり確認することをおすすめします。
Revokeの方法を知っておこう
DeFiやDEX(分散型取引所)、NFTマーケットプレイスを利用する際にApproveというボタンを押して承認したことはありませんか？Approveは、承認という意味で仮想通貨やNFTの送信許可を与えることができます。つまり、承認したWeb3.0プロダクトなどがあなたに代わってウォレット内のトークンにアクセスして移動することを許可することが含まれています。
たとえば、分散型取引所(DEX)を使用する場合、スマートコントラクトが要求された取引を完了するためにトークンを取得できるようにするApproveに署名する必要があります。
信用できるサイトかどうか確かめることはもちろん、ハッキングなどが起こった際に、Approveを取り消した方が良い場合があります。
Approveして許可されたままのトークン承認を撤回することを「Revoke(リボーク)」と言います。この機能を利用すれば、Approveを取り消すことができます。
Revokeに関する詳しい記事は「【Revoke(リボーク)やり方】仮想通貨ハッキングリスクから守るMetaMask公式推奨まとめ！Approveの危険性と対策」をご覧ください。
おすすめDEX１３選
ここからは実際におすすめのDEXをいくつかご紹介します。
複数のネットワークおよびブリッジに対応したDEX
- Keyring Exchange
- Sushiswap
- Quickswap
- Synapse Bridge
- cBridge
- deBridge (deSwap)
- Stargate
- Rango Exchange
複数のネットワークに対応したDEX(ブリッジ不可)
1つのネットワークに対応したDEX
Keyring Exchange
Keyring Exchangeは、Pancakeswap、UniswapなどあらゆるDEXから最安のレートを見つけ、スワップおよびブリッジできるサイトです。Ethereum、Polygon、Avalanche、Binance、Arbitrumネットワークに対応しています。
新しくそれぞれの通貨の価格や、7d(7日間)〜1y(1年間)での価格変動を見ることができるようになりました。詳細なデータを確認してブリッジするべきタイミングかどうか判断できます。
Sushiswap
Sushiswapは、数多くのネットワークに対応したDEXです。クロスチェーンブリッジにも対応しており、ネットワークを跨いで交換することができます。
Quickswap
Quickswapは、主にPolygonネットワークで有名なDEXになります。現在では、クロスチェーンブリッジにも対応しています。
Synapse Bridge
Synapseは、安全なクロスチェーン通信を可能にする普遍的な相互運用性プロトコルです。19のネットワークに対応しています。ウォレットを接続すると、自分が持っているブリッジ可能なトークンが一覧で表示されます。
cBridge
cBridgeは、深い流動性を備えたクロスチェーンDEXで、NFTのブリッジにも対応しています。同じトークンを別のチェーンにブリッジ(例：イーサリアムETH→ポリゴンETH)することができます。単体トークンで複数のネットワークに流動性供給ができる機能も備えています。全部で32のネットワークに対応しています。
deBridge (deSwap)
deBridgeが開発するdeSwapは、8のネットワークに対応したスワップおよびブリッジサイトです。Keyring Exchangeでは、このサイトも最安レートを見つけるためのDEXの1つとして登録されています。
Stargate
Stargateは、LayerZero上に構築された最初のdAppを構築するブリッジサイトです。13のネットワークに対応しています。
LayerZeroは、上記で解説した一般的なブリッジの仕組みとは異なり、「Oracle(オラクル)」「Relayer(リレイヤー)」という2つの仕組みが連動して動作します。
詳しくは「LayerZeroとは？新しいブロックチェーンブリッジ方法！OmnichainNFTなど解説」の記事をご覧ください。
しかし、LayerZeroはFTXに出資を受けており、FTX騒動後の現在は、資金をめぐり訴訟沙汰となっています。
Rango Exchange
Rango Exchangeは、EVMベース、Cosmosベース、Solana、UTXOなどのさまざまなブロックチェーンをサポートしているクロスチェーンDEXアグリゲーターです。58のネットワークに対応しています。
Uniswap
Uniswapは、圧倒的な取引量を誇るNo.1DEXです。DAOによって民主的に意思決定がされ、現在はバージョン3となっています。V3では、革新的なレンジ幅の設定など無駄のない流動性供給が可能で、他にはない仕組みになっています。
Curve Finance
Curve Financeは、数多くのネットワークに対応したDEXです。レトロデジタルなUIで、あらゆるネットワークに対応していますが、ブリッジはできません。
Pancakeswap
Pancakeswapは、主にBNBチェーンで有名なDEXになります。BNBのみに対応したDEXでしたが、現在ではEthereumやPolygonなど他のネットワークを選択することもできます。BNB内のあらゆるトークンに対応できます。
Trader Joe
Trader Joeは、主にAvalancheネットワークで有名なDEXになります。Avalancheのみに対応したDEXでしたが、現在ではEthereumやPolygonなど他のネットワークにも対応し始めています。NFTマーケットプレイスなども展開しています。
Orca(Solana)
Orcaは、Solanaネットワークで有名なDEXになります。Solana内のあらゆる通貨を交換することができますが、他のネットワークにブリッジすることはできません。
DEXの使い方
DEXは、すべて似たような仕様となっており、以下のステップで取引を行うことができます。
STEP 1. ウォレットを接続
まずは、ウォレット(メタマスクやWallet Connect)と接続します。
STEP 2. 持っているトークンを選択
上部の欄から、スワップ元となる自分の持っているトークン及びネットワークを選択します。リストに表示されているものだけでなく、名前やコントラクトアドレスを検索して見つけることも可能です。
STEP 3. ほしいトークンを選択
下部の欄から、スワップ先となるほしいトークン及びネットワークを選択します。
STEP 4. ルートを確認して承認
あとは、Confirm Transferを選択します。問題がなければ、続けてConfirm Transferを選択して完了です。
まとめ
DEX(分散型取引所)は数多くあり、次々と新しい仕様のものが生まれています。ブリッジ対応のものを増えており、違うネットワークであってもほしいトークンが簡単に手に入るようになってきています。また、交換だけでなく、イールドファーミングを利用して利息をもらうこともできます。これらのDEXを活用して、より快適に仮想通貨やDapps、NFTゲームを利用しましょう。
この記事が参考になれば幸いです。
